高層建築に欠かせない『揚重ビーム』とは?
今回の記事では、当社の仕事ではあまり聞くことはないワードではありますが、高層建築では欠かせない『揚重ビーム』にスポットを当て、高層建築に欠かせない『揚重ビーム』とは?と題して、いろいろ実例を交えながら詳しく解説していきたいと思います。
では、今回もさっそく最初のセクションから!
■まずは建築用語としての『ビーム』について知ってみよう!
今回のお話を進めるにあたって、知っておきたい知識としては、この『揚重ビーム』という言葉の『ビーム』部分でしょう。
アニメや漫画、ゲームの世界では『ビーム』といえば、色とりどりの光線が敵を倒すシーンをイメージする方が大半なのではないでしょうか?
しかし、建設業界における『ビーム』とは、上記のものは全く違う意味合いになっており、もし仕事上で耳にした場合は、イメージとのあまりの違いに戸惑ってしまうかもしれません。
では、建築用語としての『ビーム』とは、どんな意味なのでしょうか?
端的に言うならば、建物に設置される「梁(はり)」のことを指して『ビーム』と呼んでいるのです。
おそらくは、ここまで読み進めてくださったほとんどの方が拍子抜けしてしまったかもしれませんが、一見すると、前述した一般的な『ビーム』のイメージと、上記の「梁」とでは、何の関連性もないように見えますよね?
しかし、そもそもの『ビーム』という言葉には「物体や粒子などが一定の方向にそろっている様子」という意味があり、アニメなどに登場する『ビーム』の場合、熱線や光線が「一定の方向にそろって射出されている」ため、2つの意味は「対象となるモノが違うだけ」で同じ意味を表しています。
確かに、建物における「梁」も、細かく言うならば「屋根や床を支えるために水平にかけられる部材」であり、上記の「一定の方向にそろっている様」という条件に含まれる、というわけなのです。
と、ここまでが建築用語における『ビーム』の意味合いとなるのですが、では、本記事のメインテーマにもある『揚重ビーム』とはどんなものなのでしょうか?
その解説は次のセクションで詳しくご紹介していきましょう。
■『揚重ビーム』は、高層建築における『縁の下の力持ち』?
では、お待ちかね『揚重ビーム』の言葉の意味ですが、こちらも端的に言うならば「揚重作業や荷揚げ機械の運用を円滑に行うために設置される梁、ないし構造物」を指しています。
一例を挙げるなら、揚重に使用するエレベーターやクレーン、リフトなどを支える梁状の構造物であれば、それらはすべて『揚重ビーム』であり、機器・機械を表す「マシン」という言葉を添えて『マシンビーム』とも呼ばれています。(その他『吊りビーム』などと呼ばれる場合もあります)
これら『揚重ビーム(本記事中ではこちらの表現を引き続き使用します)』は、当然のことながら「揚重作業を行う人員の重さ」も支えることになるため、安全性を高めるため強固な鋼材が使用されることがほとんどです。
また、鋼材の持つ強度をさらに強めるために「H型鋼(※注1)」という形状のものが用いられます。
※注1:H型鋼とは、あらゆる方向からの強度に耐えうるために、断面が「H」の字に整形された鋼材のことです。
実は、この『揚重ビーム』を使用して揚重エレベーターやリフトなどを設置することで、吊り上げる対象物の垂直方向への動きが制御しやすくなり、安定性が増します。
なおかつ、不必要な揺れや対象物のズレなども最小限に防止できるため、建物やビーム自体への荷重による負担や危険性も大幅に下げることにつながり、安全な作業に貢献しているのです。
このような特性を持つ『揚重ビーム』は、前述した通りクレーンやリフトなどの「揚重機械」との相性が非常に良く、これら大型の揚重機械を用いる現場などで『縁の下の力持ち』として、地味ながら重要な役割を担っています。
当ブログの過去回では『揚重ビーム』と相性の良い『揚重機械』について詳しくご紹介していますので、興味のある方は以下のリンクからご覧ください。
さて、続いては恒例の「オマケ」セクションです。
オマケ:『ビーム=梁(はり)』について詳しく掘り下げてみよう!
今回のオマケは、先程軽くご紹介した『ビーム=梁』について、より詳しい解説を進めていきましょう。
建設の分野において「梁」は、建物の構造を支える重要な要素のひとつであり、主に床や屋根を支えるために使用され、柱と共に建物の骨組みを形成しています。
ここではそんな梁についてまとめてみました。
【梁の機能と役割】
梁は、建物の水平方向の荷重を支え、それを柱や壁に伝える役割を果たします。この働きにより、建物全体の安定性が確保されます。
また、梁を用いることで空間を広く取ることができ、部屋の間仕切りなどに柔軟に対応することも可能になります。
【梁の材料】
梁の材料としては、木材、鉄筋コンクリート(RC)、鋼材などが一般的です。
木材は軽量で加工が容易ですが、耐火性に劣ります。
鉄筋コンクリートは耐火性や耐久性に優れていますが、重量があるため、基礎にも強度が必要です。
鋼材は強度が高く、長いスパンを持つ梁を作るのに適しています。
【梁の種類】
・単梁:一般的な梁で、一つの断面形状を持ちます。
・合成梁:二つ以上の材料を組み合わせた梁を指します。
例えば、鋼とコンクリートを組み合わせた鋼骨コンクリート梁など。
・T字梁やI字梁:断面がT字やI字の形状をしており、主に鋼材で作られています。他に比べ強度が高く、大きな荷重を支えることができます。
【梁の設計】
梁の設計では、建物の用途、荷重、地震などの外部要因を考慮し、適切な材料、断面形状、寸法を選定します。また、安全率を確保するために、梁の強度や剛性を計算します。
【梁の施工について】
建築現場での梁の施工は、精密な作業が求められます。しっかりとした基礎が完成したら、柱を設置し、その上に梁を取り付けます。
梁の取り付けには、ボルトや溶接などしっかりと固定できる方法が使用されています。
【梁のメンテナンス】
建物が完成した後も、梁の点検やメンテナンスが必要です。特に、鋼材の梁は錆の発生に注意が必要であり、木材の梁は腐食や虫害に注意する必要があります。
では、今回最後のセクションへと参りましょう!
■『揚重エレベーター』と『揚重ビーム』の深い関係とは?
当社の仕事において、今回ご紹介した『揚重ビーム』と最も関連性が深い揚重機械は、やはり『揚重エレベーター』となるでしょう。
基本的に『揚重エレベーター』を使用する現場は、そのほとんどが「規模の大きい現場」であるため、作業や作業スタッフの安全を一手に支える『揚重ビーム』の存在は、目立たないものですが絶大な影響力を持つはずです。
今回ご紹介した『揚重ビーム』に関する話題は、知っていても知らなくても業務の進行や効率化には影響を及ぼさないでしょうが、仮に知っているならば、より現場での作業に安心感が生まれると思います。
ですので、より良い作業を実現させる上でも、非常に重要な役割を持つ『揚重ビーム』について、ここで知っておいても損はありませんね。
まとめ:高層建築でも大活躍!当社のお仕事をはじめてみませんか?
さて今回は、普段のお仕事でまず聞くことはないでしょうが、高層建築の現場で知らず知らずのうちにお世話になっている『揚重ビーム』に関する話題をお送りしましたがいかがでしたか?
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